開発用ツールUnityとUnrealEngine †
ゲーム開発で重要な役割を果たしているUnityとUnrealEngineについて簡単にまとめます。
そもそも何に使うもの? †
主に3Dゲーム開発用のミドルウェア(ツール)でゲームエンジンとも呼ばれています。
個人から大手企業まで、スマホアプリ、コンシューマゲーム、アーケードゲーム、動画制作など様々なケースで採用されています。
ゲームメーカーは自社でゲームエンジンを作るケースが多かったのですが、プラットフォームやハードウェア増加、技術分野の拡大に応じて、費用対効果に優れたこれらのサードパーティ製ゲームエンジンを使用するようになりました。
”Epic Gamesは、スクウェア・エニックスが開発を進めるリメイク版『ファイナルファンタジーVII』にて、ゲームエンジンに「Unreal Engine 4」が採用されていることをメディア各社へ向け発表した。リメイク版『FFVII』は、先週にもPlayStation Experienceにて最新トレイラーが公開されるなどし、大きな注目を集めていたばかりだ。なお今年8月のgamscomeでは、海外メディアのインタビューを受けた田畑 端氏が、スクエニの内製エンジン「Luminous Studio」は使用していないことが明らかにしていた。” |
出典:スクエニのリメイク版『ファイナルファンタジーVII』はゲームエンジン「Unreal Engine 4」を採用、『ドラクエ』や『キングダムハーツ』に続く【外部サイト】
Unityについて †
iOS、Android、Tizen、Android TV、Windows、Windows Phone 8、Windowsストアアプリ、macOS、Linux、ウェブブラウザ (WebGL)、PlayStation 3、PlayStation 4、PlayStation Vita、Xbox 360、Xbox One、Wii UそしてVR/AR向けの開発に対応したゲームエンジン。(詳細はWikipedia)
対応プラットフォームが無節操に多く、スマートフォン向けアプリの採用事例が多い。書籍やネットの情報が充実しており初心者でも2D/3Dのゲーム開発に取り組めます。
国内のスマホゲームなら「あー、これはUnityで開発されてますね」と言っておけば8割ぐらい当たる。
現行バージョンはUnity2020(年代が入る)
開発販売 †
ユニティ・テクノロジーズ
料金 †
個人なら年間売上1000万円を越えない範囲では無料。
企業ではサブスクリプション型で月額4400円~(プラン、売上規模に応じて変動)
タイトル事例 †
【コンシューマ】
JUDGE EYES:死神の遺言、サドン ストライク4
【アーケード】
ソードアート・オンライン アーケード ディープ・エクスプローラー
【スマホ】
Fate/Grand Order、ドラゴンクエストウォーク、白猫プロジェクト
ポイント †
ユニティの上場申請が話題になっています。
収益としては前述のようなサブスクリプション型の収益が主になると思いますが、UnityAdsなどの広告ビジネスも含めて広範囲に発展していく可能性があります。
あらゆるデバイスに対応していく姿勢はIoTの時代にもマッチしているのではないでしょうか。
ゲームパブリッシャーからすると低コストで良質な環境が得られるメリットは非常に大きいです。ちゃんと儲かるように頑張って。
Unreal Engineについて †
iOS、Android、Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One向けの開発に対応したゲームエンジン。(詳細はWikipedia)
グラフィック性能が高くリアルなビジュアル表現が特長的でコンシューマ、アーケード向けのゲームで多く利用されています。
「えっ?実写じゃないの!?」という最近のゲームはだいたいUE4です。
現行バージョンはUE4、次世代向けのUE5がリリース予定。
開発販売 †
Epic Games
料金 †
基本無料
年間売上1,000,000ドルを越えた場合にグロス5%をロイヤリティとして支払い
タイトル事例 †
【コンシューマ】
ファイナルファンタジーVII リメイク、グランブルーファンタジー ヴァーサス
【アーケード】
ストリートファイターV タイプアーケード
【スマホ】
リネージュ2 レボリューション、実況パワフルサッカー
フォートナイトやPLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)はスマホ&コンシューマへマルチプラットフォームで配信
ポイント †
ゲームパブリッシャーとしてUnreal Engineを使用するゲームではロイヤリティ支払いを考慮する必要があります。
ハイクオリティを目指すゲームとの親和性は非常に高いものがありますが、スマホ向けには電池消費などにも繋がりやすく軽量化などで高度な知識が求められます。
開発環境が基本無料とは言えUnityと比べて経験者の確保が難しい所は課題でしょう。
先日Epic GamesがAppleと揉めに揉めて開発アカウント停止されましたが、これはUnrealEngineを採用している会社にとってはミドルウェアがアップデートされなくなるという恐るべき事態です(セキュリティホール対応や最新OS準拠ができない)。
現状では最悪の事態は回避されているようですが他社の喧嘩で影響受けるのはリスクとして大きすぎますよね。
そのほかのゲームエンジン †
Cocos2d-x †
2Dのアプリに強い機能がシンプルなゲームエンジン。(詳細はWikipedia)
家庭用ゲーム作品などで既にプログラム資産が存在しているケースで移植の際に使用されることがある。
3Dに対応したCocos3dもあり。
まとめ †
- UnityとUnrealEngineはそれぞれ特徴があって色々違う
- Unityのビジネスモデルは今のところ緩やか
- UnrealEngineが普及していくためには何かと壁がある
ゲーセク銘柄を触っていく上で知っておくと役に立つ事もあると思います。
スマホアプリ採用事例 †
ゲームエンジン別アプリ(各種記事から情報収集)
Unity
| ディバインゲート零 (GungHo Online Entertainment, Inc.) |
cocos2d-x
UE4